私自身帰国子女ではありませんし、英語がペラペラということももちろんありませんが、英語を書くこと、特に研究論文のwritingにはそこそこ自信があります。若い大学院生・研究者の皆さんには役に立つ記事も書けるだろうということで、英語論文を書く上で私が大事だと思うこと、参考になりそうなことをまとめています。
今回は単調になりがちな文章に流れを加える、分詞構文について説明します。
英語のパターンは意外と少ない
まず、具体的な分詞構文の話に移る前に、前提となる考え方を話しておこうと思います。まず、皆さんは「文法的に正しいがちょっとおかしい」というような言われ方をしたことはないでしょうか。
このような言われ方をすると理不尽な気持ちになることがあるかもしれません。「文法的に正しい文章」の組み合わせは無限にあり、その中から「英語的に自然な」表現を選び出すことが難しいと感じるからではないでしょうか。
しかし、もし「英語的に自然な」表現というものがそれほど種類が多くなく、そちらを覚えてしまう方が楽だとしたらどうでしょうか?私は英語論文に使うような表現というのはそれほど多くなく、私たち日本人はその少ない表現だけを使って論文を書けばいいと思っています。
そのような表現を扱う記事をこれからいくつか書いていこうと思っています。
分詞構文
それでは具体的な話に移ろうと思います。分詞構文が何かについては受験英語で勉強されている方がほとんどかと思います。一応形だけ説明します。
(主文), ~ing ー
上記のように完全な文章を成す「主文」があり、加えてing形の節が続きます。文法的にはing形が前でも構いません。ポイントはing形の動詞の主語が主文の主語と一致しているか(主従一致)、もしくは主文全体を主語とする必要があることです。
分詞構文の文は二つの文に書き換えが可能で、通常は何らかの接続詞が二つの文の間に省略されていると解釈されます。
分詞構文の使い方
分詞構文についても文法的に正しいということだけであれば、様々な文に使うことが可能です。しかし、私の意見では英語論文中で使う必要がある分詞構文は2種類のみです。
基本は主文全体を主語にした分詞構文を使う
英語論文で用いる分詞構文は基本的に主文全体を主語とした分詞構文だけで十分です。しかも、以下のようによく見る動詞を用いた表現がほとんどでしょう。
- (主文), indicating that ー
- (主文), suggesting that ー
- (主文), confirming that ー
まず主文があり、その主文を根拠に分詞構文の動詞以降のことを主張しているわけです。主文との結びつきが強く、タイトルで使った「流れを作る」ということを理解していただけるのではないでしょうか。
このような表現は英語論文を読んでいればよく出てきますし、皆さんも馴染みがあるでしょう。
イントロや結果で使う
上記ような分詞構文は結果でよく使われますし、イントロでも使うと便利だと思います。
結果の項目では、図面から客観的に言えることがあり、そこから考察する内容があるはずです。これをつなぐのに分詞構文を使うのです。
つまり、まず結果の文章が主文としてあり、それを元に考察できる内容をーing以下に書くわけです。
二文に分けると冗長になる
では、なぜこのような分詞構文を使うかと言えば、文が冗長になることを避けるためです。結果と考察を二文に分けた場合、
(結果を示す文章)This result indicatesー
のような文章になってしまします。結果を示す文章が非常に長い場合にはこのように分けて書くことも有効ですが、たいていの場合、二文に分けると「小学生の作文的な」冗長な文章になってしまいます。
二文に分けることのできる文章を一つにまとめることは基本的にこの冗長性を避けるためです。そして、その二文に論理的な流れがある場合に分詞構文を使います。
慣用的分詞構文
もう一つのパターンが、慣用的分詞構文と言われるものです。文法用語が色々出てきて、嫌になるかもしれませんが、分詞構文の形をした熟語だと考えればよいです。この分詞構文の特徴は、主文とing動詞の主語が一致している必要がないことです。このため、気軽に使うことができます。以下のような例があります。
“generally speaking”
一般的に言えば
“judging from ー”
ーから判断すると
“depending onー”
ーに依存して
“with increasing ー”, “with decresing ー”
ーの増加とともに、ーの減少と共に
“using ー”, “by using ー”
ーを使って
主文全体主語以外は使ってはダメ?
以上のような話をすると、主文全体を主語にする場合以外は分詞構文を使ってはいけないのかと思う人もいると思います。もちろんそんなことはないのですが、私は必要に迫られない限りは使う必要がないと考えます。
主文全体が主語ではないということは、主文の主語とing形の主語が一致しているということです。このような場合、読み手に主語の確認を強いることになります。具体的には文頭から読み進めていた場合、分詞構文部分が出てきて初めて分詞構文だと分かります。その後、文全体が主語ではなさそうだと解釈した後に主文の主語を確認するでしょう。

ing形が文頭にくるような場合には、分詞構文であることはすぐにわかりますが、読み手は分詞構文部分が終了するまでその主語が不明です。

このように読み手に余計な労力を費やすような文はなるべく書くべきではありません。よほど使わなければ書けない文であれば別ですが、そのような文章が本当にあるでしょうか、、、
分詞構文か関係代名詞か
最後に、関係代名詞との関係を考えておきます。
二つの文をつないで一文にする方法として、他にも関係代名詞があります。関係代名詞も前の文全体を主語とした文が作れますし、書き換えが可能ではないかと思うのではないかと思います。
確かに、書き換えてもいいのかもしれませんが、関係代名詞による二文の接続には分詞構文のような「流れ」がありません。
関係代名詞でつながれる二文は論理的な関係性を必要としていません。分詞構文のように接続詞が省略されているというような解釈はなされません。つまり、二文の間に論理的関係性があれば分詞構文、無ければ関係代名詞を使う方が適しており、使われる場面が異なることが多いです。
関係代名詞についてはまた別の記事で扱おうと思います。
まとめ
本記事では、英語論文でよく使う分詞構文の使い方について説明しました。頻出する分詞構文は文全体を主語にした分詞構文であり、結果→考察のような流れを伴った文章に適しています。結果の項目を書く際に非常に有効なので、皆さんも使ってみてください。


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