大学院生としての生活から現在の教員生活まで、いくつかの研究室で研究を行ってきましたが、その経験を元に若い皆さんの悩みの解決ができればいいなと思っています。
今回は指導教員にやれと言われた実験内容に不満があった場合についてです。

指導教員が面白くない実験をやれと言われたら
私も学生時代を振り返ってみると経験があるのですが、研究室でのミーティングやディスカッションにおいて、とてもつまらない実験をしろと言われる場合があります。自分自身は得られたデータを元に新しい実験にチャレンジしようとしているのに、これまでやった実験の条件を少し変えただけのつまらない実験を行うように言われるような場合です。
このような状況については、指導教員が言葉足らずな場合が多分にあると思います。
指導教員なりの論理が(たぶん)ある
指導教員の指示した実験内容がつまらないと思われる内容でも、指導教員なりの理由があるはずです。
論文化するために必要なデータ
最も多いパターンが、論文化や学会発表に向けてデータを揃える必要がある場合です。
学生さんの感覚であれば、面白いデータを出せばそれでいいと思うかもしれませんが、自分たちの主張を通すためには、それをサポートするような地味なデータも必要になります。想定されるような疑念点を否定するようなデータも必要でしょう。上記のようなデータは単純作業の実験になりがちで、新しいアイデアで実験することに比べてやる気が出ないかもしれません。
しかし、学会発表や論文で必要なデータであれば重要であるということは理解できるのではないでしょうか?
言い方が悪い
つまらない実験を指示されたと学生が反発する際によくあるパターンとして、指導教員の指示の仕方が悪い場合があります。
学生「****の実験をやろうと思います」
指導教員「いや、その前に¥¥¥¥の実験をやっておいて」
上記のような言い方をされれば、学生は自分がやろうとしたことを否定されたと感じ、初めから心証が悪くなります。
学生「****の実験をやろうと思います」
指導教員「いいと思うよ。ただ、論文化する際に¥¥¥¥の実験結果を求められると思うので、そちらも並行してやっておいてくれるかな」
上記のようにやりたいと思っていることを肯定したうえで、押さえておくべき実験内容を指示してもらえれば、素直に聞けると思うんですけどね。
ただ、大学の先生はいい大学を出て、歳も喰っているけど人間としてはポンコツ(な人が多い)という事実を忘れないでください。そう考えれば、相手の言葉が足りていないのかもしれないと配慮してあげることもできるでしょう。
指導教員がポンコツな場合も(たぶん)ある
もちろん、指導教員の能力がないために間違った指示をしていることもあるでしょう。また、運が悪い場合には、調子よく結果を出している学生がむかつくなどと考えて指示を出す不届きものもいるかもしれません。そのような際の私のアドバイスは、以前「指導教員同士の意見が対立したら」の記事で書いた内容とほぼ同じです。
言われたことだけやる必要なし
自分がAをやろうと思っていて、指導教員にBをやれと言われてしまった場合に、学生さんの立場としてはBしかやっていはいけないと思うかもしれません。しかし、やろうとしていることに安全上の問題がなければ、自分がやりたいことも並行してやるべきです。
言われたこともやるべき
指示された内容は間違っているからやらない、と考える人もいるかもしれませんが、それはやめましょう、指示された内容もやるべきです。
私も人に指示する立場になったので分かるのですが、指示したことをやっていないことほど腹の立つことはありません。仕事が遅いのはいいんです。全くやっていないというのは腹が立ちます。そして、腹が立った状況、感情的な状況でディスカッションをすると、状況が悪化します。
仕事量が多過ぎる?
自分がやりたいことも、指導教員から指示された内容もこなしていたら仕事量が多すぎると感じる人もいるでしょう。そこはうまくこなしましょう。
仕事の量は自分で調整する
2つのこと同時にやるわけですから、普段の2倍の実験をしなければならないと感じるかもしれませんが、そのあたりは自分で調製ができることです。普段の2倍の期間で実験をこなしてもいいですし、どちらかの 実験の進捗を遅らせる ことで量を調製することも可能でしょう。
仕事が遅いと思われてもいいじゃない
上記の話をすると、指導教員から実験の進捗が遅い、仕事が遅いと思われるかもしれないと不安に思うかもしれません。別にいいじゃないですか。つまらない実験に終始して結果が出なかったり、大量の実験をこなして体調を崩すよりは、ポンコツ指導教員からの評価が下がる方がマシです。
頑張って実験をすること自体、私は否定しませんが、それは自分のために頑張るべきです。
まとめ
今回は指導教員からつまらない実験(計算)を行うように指示された場合について記事にしました。
指導教員の指示の意図をくみ取る努力はするべきですし、指示内容が間違っていたとしても、必ずしも指示内容だけをやる必要はないです。自分の体調に気を付けながら充実した研究生活を送ることができたらと思います。



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