初めての学会発表でのスライド作り、何をどうしていいか分からないという方もいるのではないでしょうか。私自身も発表がうまいとかスライドが華麗とかいうことはないですが、一般論としてどのようにスライドを作ればいいかというアドバイスはできると思います。
本記事では具体的に発表でのしゃべり方について説明します。
発表の基本要素
学会発表には以下の5つの要素が最低限含まれていると思います。
- イントロ(イントロダクション)
- 目的
- 実験(方法)
- 結果と考察
- 結論
以上の各要素についての話し方について順番に書いていきます。
イントロ

イントロの話し方は非常に重要です。ここで聴衆を退屈させてしまえば、ほぼ聞いてもらえないと思っていいです。聴衆の中には昨夜遅くまで居酒屋で飲み歩いていた人も少なくありません。「できれば寝ていたい」と思っている人もいるはずです。なにより、イントロをきちんと聞いていないとこの後の結果の話も分からないので、「イントロを聞き逃した」=「ここは聞かずに次の発表を真面目に聞こう」となりがちです。
はきはきとしたしゃべり、論理的な話の展開、見やすいスライドなど発表全体で意識すべきですが、イントロは特に頑張ってください。発表準備が間に合わないという場合にもイントロの練習はきちんとしておきましょう。
実験(方法)

実験(方法)のスライドに関しては必要な情報をすべて網羅する必要がありますが、喋りとしてはすべて話す必要はありません。興味がある聴衆であればスライドから情報を得るでしょうし、ほとんどの聴衆にとっては、実験条件の細かい情報は興味がありません。
これは自分で英語論文を読むことを考えてみればいいと思います。英語論文を読む際、自分と同じ手法で研究をしている場合には実験項を熟読しますが、全く異なる手法で研究をしている場合、結果には興味がありますが、実験項の細かい条件は気にしないでしょう。それと同じだと考えてください。
結果と考察

結果と考察については一般論はなかなか存在しません。
しかし、基本的には英語論文の結果の項目の書き方と同じであると考えればいいと思います。一つのスライドに1つは必ず図面があるはずです(考察のみのページでも考察のための何らかの図を用意するのが普通です)。
図面の説明は3つのパートに分かれます。
図が何を示しているか説明する
電子顕微鏡の画像であるとか、温度依存の抵抗率のデータであるとか図面が何を示しているかの説明が必要です。
図の中身がどうなっているかの説明
表面がぼこぼこかスムーズか、温度とともに単調に減少しているなど、図面から客観的に言えることがあるはずです。なければその図を載せる意味はありません。
図から導き出せる結論
上記の説明をもとに何らかの結論を導きます。場合によってはその結論をもとに次の実験を行ったというような説明も加えられます。
たまに、そのデータから導きたい結論が何もない場合があります。そういった場合には本来その図面を載せるべきではありませんが、発表のボリュームの関係でどうしても載せたいこともあるでしょう。こういった場合にはひとつ前の客観的な説明までして、次のスライドに移ることになります。
このようなスライドも、1か所までなら許容範囲かと思います。すべてのデータで図面の客観的な説明のみに終始していれば、質疑応答での怒りの質問を受けることになると思います。
注意点:図→結論はダメ
図面を見れば結論が分かるという感じの説明をする人がいますが、これはダメです。図面の中身の説明をして、それをもとに結論を導き出すべきです。これは論文などを書く時も同じです。
悪い例
図から***であることが分かります。
よい例
図から###が???である。このことから***であることがわかります。
結論

時間があるなら全部読む
やや冗長になりますが、発表時間を早めに切り上げて、質問時間を無駄に長くする必要はありません。もちろん、たくさんの人から質問を受けた方が(教育的にも)よいのですが、時間が長すぎると質問がなくなり、無言の状況が長くなると発表全体の印象を悪くしてしまいます。
時間がない場合
結論のスライドにたどり着いた時点で、既に発表時間が過ぎているということもあるでしょう。この場合に全部読むのはさすがに印象が悪いです。ただ、単に「結論はこのようになります」として発表を終わるのはさすがに寂しいので、まとめの結論だけでも話してほしい気がしています。好みの問題かもしれません。
まとめ
学会発表における発表での話し方についてまとめました。研究室の発表練習で指摘されるような項目ばかりだと思いますが、あなたの研究環境によっては必要な指導をしてもらえないこともありますし、指導教員がこういった方法論を軽視している場合もあります。より聞いてもらえる発表になるように、参考にしてもらえれば幸いです。


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